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東京 closing down

青年の日常や苦悩と歯痒いまでのリアリティに落とし込まれる楽曲の数々に、全編エンドロールな新進気鋭の問題作 Photo by shun nishimu

1グラムと空中分解 2/10 15:00

一万円を無くした。 それは決して、新宿の居酒屋でぼったくられたとか、パチンコで負けたであるとか、はたまたヤフオクで使い物にならないものを一万円で落札したわけでもない。単に、一万円札を紛失しただけだ。仕事の関係で二万円の立替が必要になることが…

忘却と怠惰 1/27 5:00

やらないといけない事が無いわけじゃないけど、それはなんとなく、今じゃないと思えた。かと言って、他にやることがあるわけでもない。確かに今、少しでも空いた時間に済ましておけば後々楽になるタスクもある。でもなんとなく、今じゃないと思えた。布団に…

ロストタイムと相対性理論 1/20 22:34

「なるほどな。」 「どうしたんですか?」 「“E=mc^2”だ。」 「なんですかそれは。」 「アインシュタインの式だ。 相対性理論って知ってるか」 「詳しくは知りません」 「E=mc^2、Eはエネルギー、mが重さ、cが光の速度だ。」 「なるほどですね」 「光の速…

弁当箱と換気扇 12/28 8:41

職場では、多忙なスケジュールを抱えるスタッフの為に、出前や弁当の注文をとっている。 夜勤のおれはその余りを、夜食として深夜に戴いていた。 千円近くする弁当は、一つ一つの具材が丁寧に調理されており、冷めていてもなおコンビニ弁当では味わえない満…

煙草と天動説 12/24 6:32

《東京の太陽は、ビル間から昇る。》 例えば有神論者は、 『この世界は神が創造したのだ』と謳う。 生命の誕生も地球の終焉も、神の意向によるものだと説く。 であるのなら、人の記憶や過去の記録は何の効力も失って、1995年2月27日におれが生まれたことの証…

咆哮とジョン・レノン 12/1 12:45

《一体何だというのだ》 プルースト現象とは、嗅覚や味覚から過去の記憶が呼び起こされる現象のことだ。 フランスの作家であるマルセル・プルーストの作品、“失われた時を求めて”の作中で、主人公がマドレーヌを口にしたとき幼少期の記憶が鮮明にフラッシュ…